画竜点睛の美意識RYOKUSONE

閑静な高台に佇む「緑草音」。七つある客室は、眺望を楽しみながら入浴出来る部屋、古い蔵を改装した部屋、かつては茶室として使われていた離れの部屋など、全て異なる趣で設えもそれぞれに表情を変える。

客室から金沢の眺望を前に楽しむ食事は「土青」が手がける。食膳には、四季に寄り添った十二暦の加賀野菜、能登の海、丘の幸を使った金沢の郷土料理や、洋の東西を問わない料理が並ぶ。古九谷や古伊万里を中心とした骨董の器が揃う。料理は、器と一体となってはじめていただく側の五感を満足させる。

春をイメージした「大蜜柑」を古伊万里に盛る。能登の港で揚がった魚介を貝のジュレであわせて、春の恵を伝える。

取り囲む緑と鳥のさえずり、陽光の輝きや風音に至るまでを設えの一部ととらえ、古き道具や飾りものに至るまで多様なイマジネーションを含ませている。 荘厳でありながら軽やか、そして湿度の高い北陸で、すっきりとした印象を残す文化性が映える。

(Journal1 Chapter1より)

金沢の柔らかい光が合うように、見た目はフラットだけれど凹凸感のある黒 漆 喰で仕上げ、光が当たった時に鏡のように見える空間づくりを意識した。

Photographs By: 間澤智大

Text & Edited By: 岩井謙介

Articles

旅館、料亭に欠かすことのできない花。フラワーショップariaは、その世界観を左右する重要な要素を支えている。力強く幹を伸ばす枝ものをはじめ、生命力みなぎる花々を扱っている。