白洲次郎・正子が愛した食卓へBUAISO

戦中、いまの町田へ移り住み、そのままその家を愛し続けた夫婦がいた。白洲次郎、その妻正子。疎開先として選んだ茅葺きの家は「武相荘」と名付けられ、二人が亡くなった現在も記念館として暮らしの余韻を残している。

敷地内の柚子も料理に使われる

「レストラン 武相荘」の料理は美食家だった二人の食卓を、娘・桂子が常川シェフとともに再現したもので、フレンチと和食の垣根を越え「日本の洋食」として喜ばれている。フレンチの世界で修行したシェフの腕が、日本特有の味を調和させている。日々農業に打ち込んだ次郎の意思を受け継いで、シェフ常川氏は畑を耕し大根やかぶ、わさび菜、みょうが、ふきのとうなど、土味が残る味を育てている。

こだわりの素材と和洋の技術で料理を生み出す常川シェフ。10 代より積んだ修行経験が料理へ生きる。

「多くの飲食店ではコンソメをはじめ既製の調味料が当たり前のように使われていますが、ここでは全て無添加・手作りにこだわっています」と常川シェフ。野菜から調味料まで、あらゆる食材を一から自家製で手がける。海の幸を閉じ込めた柚子も、庭の柚子の木から採られたものだ。洋料理のあいだでさっぱりとした酸味とほろ苦さが芳醇な香りを引き立たせる。
大いなる柚子の魅力。和の食卓ならではの魅力に気づかせてくれる。それは、あらゆる空間で人々を惹きつけるKIWAの姿にも通じている。

Photographs By: 間澤智大

Text & Edited By: 木村びおら

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