料理に最も近い立役者Kanazawa Antique Market

料理は器と一体となってはじめて完成する。料理の素材や調理と同様に、器は重要な要。加賀野菜をはじめとする金沢の食材を出す山乃尾や緑草音では、素材そのものの魅力を尊重する器の数々が使われる。それを支えているのが、骨董を扱う専門店や彼らが買い付けに足を運ぶ骨董屋の存在だ。

骨董は、もともと旧家が所有していたものを買い付ける地方の骨董市場から、更に都心の骨董市場へと流通していく。それは食材でいう農家から農協、そして築地へやってくる流れのようなものだという。市場での買い付け方も、食材と同じく競りで行われる。

個人宅の古い蔵などから買い付けることを「うぶだし」 と呼ぶが、九谷焼や輪島塗が多く出てくる金沢は、まさにこの「うぶだし」に近い市場が展開されている。

山乃尾や緑草音では、このような市場より骨董屋の助けを得ながら、金沢の食材の良さを引き出す器が季節ごとに料亭へとやってくる。金沢ならではの九谷焼や輪島塗を中心に、明治から大正時代に献上品として作られた、比較的位の高いとされるものが選ばれる。山乃尾では、魯山人が好んだ料理に合わせた、素朴な風合いの土ものなども多く用いられる。一方で、KIWAコーポレーションも設立以来骨董 屋を営んでおり、こうした市場へ足を運んでいる。金沢に限らず全国の料亭で良き時代の骨董が料理ともに使用されている。

 

Text & Edited By: 木村びおら

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旅館、料亭に欠かすことのできない花。フラワーショップariaは、その世界観を左右する重要な要素を支えている。力強く幹を伸ばす枝ものをはじめ、生命力みなぎる花々を扱っている。