野菜を売る先にあることMatsuda Hisanao Greengrocer

八百屋という店構えは、通りに対して正面を向いているものだと思っていた。

10年前からここに店を構える八百屋松田久直商店の内装は、もともと100年以上続いた老舗の八百屋から引き継いだもの。
それは家内商店を思わせる店構えになっていた。目線の高さには物を置かずシンプルに。

そして手の先には、色鮮やかな野菜が並ぶ。
加賀の土地でしか採ることのできない、金時草、芹、蕪。
なかでも、松田氏は煮崩れせずに味がしっかりと染み込む「源助大根」は加賀野菜でも格別だと話す。

総料理長の木村の目は、この時期に四国から届く鮮やかな黄柚子と唐辛子に留まった。
松田氏は、柚子胡椒だなと「あ ・うん」で受けとめ、赤でも緑でもなく黄色の唐辛子を選んだ。

松田氏の仕事は、野菜をただ売るということではない。
最終的な料理の仕上がりが守備範囲なのだ。

Photographs By: 間澤智大

Text & Edited By: 岩井謙介

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