魯山人ゆかりの老舗旅館YAMANOO

金沢の観光名所としても名高い東山ひがし茶屋街。この茶屋街を見下ろせる坂に佇む「山乃尾」は、初代主人・太田多吉により、全国各地より集まってくる茶人たちのために創業された。ほかの地域にはない独特の食文化の加賀料理、金沢料理は、京都や東京、大阪などの各地から集まった茶人たちによる影響が少なからずあるのではないかと、五代目・本谷氏は目を細めながら語ってくれた。

そんな「山乃尾」は一昨年、KIWAコーポレーションの社長・中島との出会いにより新たな歩みを踏み出した。
主に料理と宿泊部屋の内装を重点的にリニューアル。その部屋の一部を見せてもらった。代々受け継がれている古い建物の風情に合うような工夫と配慮が施されている。天井の網代をはじめとする昔からの数寄屋造りを残しながら、水回りは今の時代の快適な使い心地を考えリノベーション。豪華絢爛な演出をするのではなく、必要最小限の物のみで古い設えを活かすこだわりの空間だ。

金沢の秋の終わりを告げる雨に濡れた茶屋街の黒瓦は、昔と変わらぬ輝きを見せている。

(Journal1 Chapter1より)

宿泊部屋は一つひとつが離れに。魯山人が過ごした時代の庭の趣が今も影を落としている。

数寄屋造りの和室からは金沢市内を見渡すことができる。

山乃尾で正月に提供される伝統的な鯛料理。

観光客が賑わいを見せるひがし茶屋街。

 

Photographs By: 間澤智大

Text & Edited By: 岩井謙介

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